シリアスの後にギャグをやるのは正しい
@トラウマ 『邪悪なものの鎮め方』を導きにして
人間の精神の健康は、「過去の出来事をはっきり記憶している」能力ではなく「その都度の都合で絶えず過去を書き換えることができる」能力によって担保されている
著 内田樹 『邪悪なものの鎮め方』 75頁より引用
『トラウマとは記憶が書き換えを拒否する病態の事』
あらゆる改変を拒否する記憶を与えられた時
『私たちの精神は機能不全に陥る』
睦月は上記の意味でトラウマに陥っていた。
@弔う
Aパートのギャグも
『みんなで騒いで、みんなで飯を食う』という古典的な葬儀の
婉曲表現と言える
金剛の『やっと笑ったねブッキー』発言からして
あの突拍子もないギャグは確信的なシナリオだと思う
@トラウマを弔う
トラウマを解除するためには「強い物語の力」が必要である。
「同一的なかたちと(無)意味」を死守しようとする記憶の断片を
別のかたち、別の意味のものに「読み替える」力を補給するのは 「強い物語」である
同著 76頁
では
吹雪はどうやって睦月のトラウマを解除したかを考えてみたい
@艦これ4話における 弔い方
話が進んでも、睦月は『W島攻略作戦』に釘付けされている。
画的にも変化が無い『波止場で待つ』場面は
そのまま彼女の心象の表現である
どんな波であれ、そこにあるのは常に同じ海である
もう新しい船は来ない
すでに睦月も『轟沈』したと言える
ここで話を一旦、吹雪に戻す
金剛に抱きしめられて、吹雪は初めて泣く
如月が轟沈してから、この場面まで吹雪は泣いていない
金剛に死地を救われ、抱きしめられ、そして思いっきり泣いた
そして雲が晴れた
これと同じことを吹雪は睦月に与える
おそらくは『後を追う』ことを考えていた睦月の前に現れ(死地を救い)
抱きしめ
そして睦月を『思いっきり泣かせた』
自分が『如月の轟沈』というトラウマを解除された方法を
同じように睦月に与えた
そして雲は晴れ朝が来た
@笑う 泣く また笑う
4話をどう解釈するかは非情に難しいんですが
私はこう考えます
「人は誰かのためなら笑える」
これが4話のテーマでは無いでしょうか
金剛が吹雪のために明るく振る舞い笑ったように
吹雪も睦月のためなら明るく振る舞い笑うことが出来た
そして、如月も睦月のためなら明るく振る舞い笑うことができた
@3話と4話が合わさり最強に見える
突拍子無く思えた3話の
「初出陣で失敗した睦月を励ます如月」というエピソードも
このように考えれば一端の伏線と言えます