2015年1月31日土曜日

艦これ4話の感想  トラウマと弔い 

@これだけはハッキリと言いたい

 シリアスの後にギャグをやるのは正しい



@トラウマ 『邪悪なものの鎮め方』を導きにして

  人間の精神の健康は、「過去の出来事をはっきり記憶している」能力ではなく
「その都度の都合で絶えず過去を書き換えることができる」能力によって担保されている

     
                           著 内田樹  『邪悪なものの鎮め方』 75頁より引用  





 『トラウマとは記憶が書き換えを拒否する病態の事

 あらゆる改変を拒否する記憶を与えられた時

 『私たちの精神は機能不全に陥る


 睦月は上記の意味でトラウマに陥っていた。



@弔う

 Aパートのギャグも

 『みんなで騒いで、みんなで飯を食う』という古典的な葬儀

 婉曲表現と言える

 金剛の『やっと笑ったねブッキー』発言からして

 あの突拍子もないギャグは確信的なシナリオだと思う

 


@トラウマを弔う

  トラウマを解除するためには「強い物語の力」が必要である。  
  「同一的なかたちと(無)意味」を死守しようとする記憶の断片を  
  別のかたち、別の意味のものに「読み替える」力を補給するのは 「強い物語」である

                              同著 76頁
 
   では
   吹雪はどうやって睦月のトラウマを解除したかを考えてみたい

   
@艦これ4話における 弔い方

  話が進んでも、睦月は『W島攻略作戦』に釘付けされている。
 
  画的にも変化が無い『波止場で待つ』場面は

  そのまま彼女の心象の表現である

  どんな波であれ、そこにあるのは常に同じ海である

  もう新しい船は来ない

  すでに睦月も『轟沈』したと言える

  
  ここで話を一旦、吹雪に戻す

  金剛に抱きしめられて、吹雪は初めて泣く

  如月が轟沈してから、この場面まで吹雪は泣いていない

  金剛に死地を救われ、抱きしめられ、そして思いっきり泣いた
  
  そして雲が晴れた

  これと同じことを吹雪は睦月に与える

  おそらくは『後を追う』ことを考えていた睦月の前に現れ(死地を救い)

  抱きしめ

  そして睦月を『思いっきり泣かせた』

  自分が『如月の轟沈』というトラウマを解除された方法を

  同じように睦月に与えた

  そして雲は晴れ朝が来た


@笑う 泣く また笑う

 4話をどう解釈するかは非情に難しいんですが

 私はこう考えます

 「人は誰かのためなら笑える」

 これが4話のテーマでは無いでしょうか

 金剛が吹雪のために明るく振る舞い笑ったように

 吹雪も睦月のためなら明るく振る舞い笑うことが出来た

 そして、如月も睦月のためなら明るく振る舞い笑うことができた

 

@3話と4話が合わさり最強に見える

  突拍子無く思えた3話の

  「初出陣で失敗した睦月を励ます如月」というエピソードも
  
  このように考えれば一端の伏線と言えます

    

        
  





















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